ピーターパンの時計台

今思えばの話。

小学校3年か4年になった時、教科書と一緒に地図帳が配られた。
いつも教科書なんて、ペラペラその時見るだけだったのに、
地図帳だけ、食い入るように見ていた記憶がある。
そう、あれは後ろの方の世界地図のページ。
家に帰ってからもずっと眺めていた。
イギリスの地図にロンドンの首都マーク、
そこにピックアップされた、時計台、ビッグベンの写真。
覚えている、あの時の感想。


ピーターパンの時計台ってホントにあるんだ!って。

小っちゃい頃、ピーターパンが好きだった。
空を飛んでいるシーンが好きだった。
その時に出てくる時計台、ビッグベン。
ずっと、記憶に残っている。


それから、十年後の話、


ついに本物のビッグベンを目の当たりにする。
二十歳の時、人生初の海外一人旅。
ビッグベンを見た時に、
地図帳を眺めていた事がフラッシュバックした。
そう、今自分はピーターパンの世界にいると。
ロンドンは4日くらいしかいなかったけど、いつも帰りにビッグベンを見て帰った。
今思えば、あの時の感覚が現在の自分を作っている。
あれからずっと、地図帳と地球儀が好きだったから、
今毎日のように地図を見ているのは偶然ではない気がする。

何やかんやで丸五年旅行業界で働いている。
四年働いて、また同じ業界に転職したのだ。


これは、ピーターパンの仕業だな、きっと。