モノクローム

休暇を使ってシンガポールへ行ってきた。


帰国からもう2年4カ月。
20代独身だったあの頃と、既婚30代の今。ストレスフリーの旅行三昧のあの頃と、日々満員電車と時間に追われる今。


懐かしくも何か当たり前のように目に入ってくる景色と、何か少しの違和感。


当時のシンガポールライフを共にした友人、7割くらいはもうこの地に居ない。



今思えばあの頃のシンガポールはバブルのピークだったのかも知れない。昔ほど派手な広告も無ければ、古い広告や空欄のアドボード。
平日から堂々、ハイブランドの紙袋を下げて歩く買い物客もいない。
気付けばユニクロ、コットンオンにH&M。安いお手軽ブランドが多くなった印象。
綺麗めなホーカーが増えて、50セントくらい値上がりした。一方小汚いホーカーが絶滅しつつある。
席取り合戦だった、夜のラオパサは今や観光客しかいない。席も普通に空いてる。


何となく前ほどのエネルギーがない。
毎年のビザ規制で外国人労働者が減少の一途を辿って、国全体の人口が減ってる。でも多分それだけじゃない。

とっても頭のいい政府だからバブルが弾けるなんて事は無い。そもそも日本を反面教師にしてるし。


でも何だろう、少しずつ、変わってきている。
相変わらずそこら中が工事中だけど。見切り発車だったダウンタウンラインは、半分開通、残り半分になった一方で、相変わらずの建設中のコンドの山はどうするんだろう。
きっと、街も国も人も落ち着いて来た。


久しぶりに会った友人は結婚して出産した。職場の先輩は転職をした。ルーミーは、子供が一人増えた。


ど平日から飲みに行ったり、シシャったり、バーバキューやウェイク、あの頃と同じような時間はもう存在しない。


みんな、少しずつ変わっている。
当たり前だけど、2年弱時計が進んでいる。



あの頃、アホみたいに行った週末旅行も今はない。バブリーだった頃、50ドル、100ドルの買い物なんてためらい無かったけど、日本円から両替したシンドルの50や100は高い。


日本で働くのは大変。
シンガポールの方が楽だし、給料いいしって思う。今でも帰れるなら帰りたいのが本音。
でもどうだろう、今回訪ねて感じた事。我々が描く素晴らしきシンガポールは、もう無いのかな。


そう感じた今回の旅でした。
離れてみて、月日が経って、感じたシンガポール



我々の原点だから、迷った時にまた来るよ。それが今、この地との関係なのかも知れない。



10年前、ジョージで過ごした1年
3年前、2年弱過ごしたシンガポール
20代の3分の1を海外で過ごした。
恐いもの知らずの20代。

一人旅が二人旅に変わった30代。
飛行機乗るのも宿泊まるも、入国審査も家族がいる。緊急連絡先が親でなく、妻だ。


同じものを見てすげぇと叫んだり、同じもの食べてうめぇと叫んだり、20代と比べると妻との喧嘩も増えた。



でもシンガポールから始まった物語。


また次シンガポール来た時、懐かしく当たり前の景色がまた違って感じるんだろうね。


これまでの10年、3年、そして今。
これからの3年、10年、そして先。


ずっと笑っていられるそんな人生でありたい。