複雑な世界、でも、ほんとはもっと簡単な世界


仕事を辞めました。


で思い立ってアフリカへ行ってきました。
3週間半、ルートは下記です。
南アフリカ:ケープタウン
ナミビア:スワコップムンド、ナミブ砂漠、ビントフック
ジンバブエ:ビクトリアフォールズ
ボツワナ:カサネ
→南ア:ネルスプリット
スワジランド王国:ムババーネ
→南ア:ヨハネスブルク
最後に乗り継ぎついでにUAE:ドバイ。


基本フライト移動、バスで4、5時間で行けるところは陸路移動しました。


感想はざっくり言ううと、思った以上に南部アフリカは発達してます。
なので、意外と楽に旅できました。
国立公園で野生動物のサファリに行ったり、
民族にあったりもしましたが、個人的にはヨハネスブルク


何よりこの街はずっと、行きたかった、確かめたかった場所です。
世界一危険と言われる、悪名について。


ただ、さすがにガイドブックの注意事項の書き方が半端ないので、
ガイド付きの現地ツアーに参加しました。
ヨハネスブルクは2泊3日にて、ダウンタウン郊外に滞在。
移動日の初日を除き、2日目にタウンシップ(スラム街みたいな感じ)・ソウェトツアー
3日目に、ダウンタウン観光。


何よりこの街に残るもの、アパルトヘイト格差社会の爪痕です。
この街を通るに、知らなければ行けないことが山ほどあって、
英語ガイドでは理解度イマイチなので、
ツアー参加前に、前日アパルトヘイトについて勉強しました。



19世紀後半黄金を求め、白人が大量になだれこみました、
で労働力で黒人が雇われ、休息地として発展。
労働力の黒人が資源を手に入れ力をつける、
それに納得しない白人(政府)が格差社会を作り上げる。
ヨハネスブルクアパルトヘイトを要約するとこんな感じです。


そして、ダウンタウンへは白人のみ住むことが認められ、
黒人はダウンタウンからずいぶん離れた郊外へ住むことを義務付けられます。
それがタウンシップです。
タウンシップは南アフリカ、各州に存在しています。


アパルトヘイト
住む場所、行動時間の束縛や、身分証明書を携帯していないだけで逮捕(黒人のみの義務)
多々理不尽なことがあります、


アパルトヘイト時代、白人しかいなかったヨハネスブルクは平和です。
撤廃後に黒人が住み始める、でも教育もまともに受けれなかった彼らは仕事に就くことができず、
犯罪に手を染める。それが今のヨハネスブルクです。


ヨハネスブルク南アフリカのみならず、アフリカ最大の都市です。
実際に遠くから見ると、高層ビルが立ち並び、
アメリカや日本、ヨーロッパの大都市と変わりません。


ダウンタウンは治安情報を見ると全区間赤塗りの危険地位域に指定されていますが、
実際に危険なのは、二つの大通り、
この場所を車で通り過ぎたときは、ガイドも神経を使っていたし、
信号で停まった場合はカメラを向けるなと警告をした。(車の窓を割って盗られる可能性があるとのこと)

近づいても、一見はそんなに問題があるような街には見えません。
でも、実際に廃墟化したビルが多いです。
遠くからは、わからなくても、犯罪集団に占拠されてたり、
窓ガラスが全て割られ、入口の扉も破壊されて、侵入を防ぐためレンガで入口を封鎖してたり。


街を創るのが人なら、壊すのも人なんだなって、感じてしまう場所でした。


ただ、危険と言われるのは、この二本のストリートのみだそうです。
実際ワールドカップ開催に向けて、ダウンタウンのあらゆるところに防犯カメラが設置され、幾分治安は改善されたとのこと。
ただ、このニ本に限っては、カメラがないんだとか、多分手のつけようがないって事なんでしょうね。
そのため、今でも無法地帯。


この街の他の大都市との一番に感じたた違いは人がいないことだと思う。
ビジネス街の地区と、ダウンタウンの端に大学があるので学生。
後はチャイナタウンとインド街に地元の人がいるのみです。
大都市なのに、観光客が見当たらない、ウインドーショッピングをしている人が見当たらない。
そのため、オフィスビルの摩天楼の割に閑散としているのは確かでした。


ダウンタウン北にある展望台から見下ろしましたが、
路上にたくさん車が止まっている割に人が歩いていません。
学生も、ビジネスマンも用を済ましてすぐ帰る。
無駄に、街を出歩かない。これがこの街の原則になっています。
大型のモールがあり、買い物はその中で済ませる事が基本なんだとか、
そのためモールの中には人がいっぱいいます。


すべての原因はアパルトヘイトです。
でもじゃあ、白人が全て悪いかといったらそうでもない。
ヨハネスで犯罪に手を染める人はほんの一握りの人のみです。
アパルトヘイトも全ての白人が賛同したわけではありません。
実際に撤廃に向けて動いた白人もたくさんいます。

なにより、この街を栄えさせたのが白人なので、難しい問題です。

街を創ったのが人の欲なら、壊すのも人の欲です。
もっといえば、お金が創って、お金が壊す。


人が創った最も便利な発明であると共に、最も凶悪な発明でもあるんだって思った。


この街にたどり着くまでに、
野生動物の食べて食べられる、シンプルな生活を目にしてきたので、余計に感じました。
実際動物界でも、食物連鎖の頂点に君臨する、ライオンやチーターはまず、なかなか出会えない。
実際サファリに三回行きましたが、一度ライオンを見れたのみです(これでも大分ラッキー)
その何百倍位の、草食動物がいて、ひとにぎり生息しているかんじです。


人のひとにぎりに似ています。

シンプルなモノが、豊かになると同時に複雑になっていく。
誰かが豊かになると誰かが貧しくなる。
誰かが幸せになると誰かが不幸になる。
簡単で複雑な世界。
複雑で簡単な世界。


何かを変えたくて、古いものを壊す。
でも壊すと無くすと、大切だったんだって気付く。
絶滅種の動物がそうです。
偏見で見てしまうが、
アフリカの伝統的な生活を送っている民族もそうです。
彼、彼女らも、文明の発達と共に、携帯電話など生活改善されてきています。
同じ人間ですもん、そうですよね。

一方で、民族がいなくなるのではないかとの危惧もあります。


これから、人が歩む道はアフリカが指標になるのかなって感じたりもします。